2019年3月

夕川に淡い浮力を張りながら逝く人声よあれは一族

しるし持つ者ら集まるひとところ軽自動車でみな乗りつけて

斎場のコンクリートの静もりは内から暗く焼けているようだ

おみなごは深く黙して幾つもの鶴折りあげる冷えた紙にて

折り鶴の鋭い貌が増えてゆく一族の声さわだつ室に