2019年4月 2019年8月12日 2019年の結社誌の作品 owner 青びかりするトラックが冬の日の住宅街にきわめて露わ 夕かげを静かに浴びて美しい崖のごとしも解される家 この先の闇のうれしさ日を追って解されてゆく家屋のすがた 肋骨のカーブに風の通うほどやさしい夜のせり上がり方
2019年3月 2019年4月3日 2019年の結社誌の作品 owner 夕川に淡い浮力を張りながら逝く人声よあれは一族 しるし持つ者ら集まるひとところ軽自動車でみな乗りつけて 斎場のコンクリートの静もりは内から暗く焼けているようだ おみなごは深く黙して幾つもの鶴折りあげる冷えた紙にて 折り鶴の鋭い貌が増えてゆく一族の声さわだつ室に