pops11

おんがくのように降りつぐこな雪を指さしながら笑うひとたち

損傷した果実のような気がかかりが冬の夕べに約束される

眼底の少しさみしい閃きは萌黄のビーチガラスみたいで

ガラス戸に薄く映っているひとは本をひらいた 髪かきあげて

雪みちに浅い足あとつけながらメロンソーダのグミ分けながら

唐突にふたり笑った 甘い粉にまみれた指をピンと開いて

みるく色に空はこごって初めての雫で頬を濡らしたらきみ

幾つもの色を重ねてきみっぽい準急電車の引き裂く向こう

星々が重いほてりを示すからとても死んで欲しいキス

(2019年11月ごろ、未発表)