短歌の連作を作っている。
具体を入れるのを厭う気持ちが年々つよくなり、イメージを結びにくいものばかりできる。よくない傾向と思いつつも自身の生理には逆らえないし、逆らって書くほどの動機もない。
短歌の連作を作っている。
具体を入れるのを厭う気持ちが年々つよくなり、イメージを結びにくいものばかりできる。よくない傾向と思いつつも自身の生理には逆らえないし、逆らって書くほどの動機もない。
連作を作るつもりが、途中で忙しくなってしまい構築する暇がなくなってしまった。
最近は第一歌集以前の歌を読み直している。気恥ずかしくて長くできなかった事。
なぜこれを落したのか。逆になぜこれを入れたのかというのを思い返している。
今月の「現代短歌」に作品連載24首が載っています。
連載作品の原稿を出してひと段落といったところ。
最近シューゲイザーをよく聴く。私の世代のものだ。
轟音のギターが夢心地にさせてくれるサウンド。
大音量で聞かなくてはほぼ意味がない。
車を走らせながら聴くのはおすすめしない。危ない。だが聴いてしまう。ダメじゃん。
シューゲイザーといったらRIDEとマイブラ。
マイブラはこの方法を突き詰めて「ラヴレス 」という傑作アルバムを作った。
マイブラを聴いているとひりついた痛みのような感情が沸き上がってくる。泣きたくなる時もある。思考がふわっと飛んでしまう。
マイブラが方法を突き詰めたのに対し、ビートルズが作ったポップ(ロック)の型を崩そうとしなかったのがRIDEだ。
ポップの型を死守する。破壊したらもっと跳べるかも知れないのに跳んでたまるかというように地に足をつけたがる。
ビートルズ未満、マイブラ未満、OASIS未満(RIDEのアンディ・ベルはOASISのメンバーだった)、いろいろ足りない。いつもほんの少し物足りない思いをしながら聴き終わる。しかし、最後の最後には、いつもマイブラではなく、OASISでもなくてRIDEを選んでしまう。
骨組みを屈みこませて服をぬぐかたちがまるで鏡のようで
鉄錆の匂いしみつくてのひらを開けばふかい闇が閉ざした
おすすめのご飯屋さんで向かいあいまばゆいひかり食むみたく話す
合金を心のおもてに編み込んできらめくような表情をする
ここ数年のやり方に加えて、実生活をことこまかに詠むというのをやっている。
これでもかというくらいに具体的にこちらはやってみたい。
このやり方で結構失敗するが、失敗するのが自身の役割な気もしている。
「現代短歌」誌で作品の連載をさせていただいている。
作るのは苦しく楽しい。
次回は順調にいけば2021年5月号(3月16日発売)に掲載される予定。
角川短歌の今月号に連作を12首。
こちらはやっと読み手の顔が見える気がして作った。
最近はZOCを聴いている。
ZOC「DON’T TRUST TEENAGER」
大森靖子(やすこと数年前は読んでた)そのものは精神的にキツいものがあるが、zocなら聴ける。
読書はドン・キホーテが後編に入った。
こちらは「兆し」一連から漏れた歌。
少しづつこわれる空から降ってくる破片ときおりとても鋭い
逆光に守られながら笑ってる差し入る視線に損なわれるまで
水流のきらめきのよう先ぶれは数限りなくくじかれて夏
先ぶれはくじかれながらひとまとまりの表情としてひとりに向かう
今月の「現代短歌」に作品連載24首が載っています。